米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題は、24日の名護市長選で基地受け入れ反対派の新人候補が勝利したことにより、同市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部へ移設する現行計画の実現は極めて困難な状況となった。鳩山政権は5月までに新たな候補地の選定を目指すが、米国は辺野古案を「唯一実現可能」と主張。1996年に日米が合意した普天間返還は白紙に戻り、現状が固定化される可能性も指摘される。
沖縄県民の思い、日米合意の重み、連立の維持…。鳩山由紀夫首相は普天間をめぐるジレンマから抜け切れず、決着を名護市長選後に先送りした。首相は普天間移設に関し「国が責任を持たなければならない話だ」と語るが、結果的には安全保障政策の根幹である基地問題について、名護市民に選択を強いる形となった。 受け入れの賛否を問うた97年の市民投票に始まり、98年から今回を含め4度の市長選。市民は普天間問題で翻弄(ほんろう)され続け、地元の政府不信は深まった。反対派の勝利により、「県外移設」を求める沖縄の声は一段と高まりそうだ。民主党の小沢一郎幹事長の「政治とカネ」をめぐる事件で政権に逆風が吹く中、基地問題で存在感を訴えたい社民党が「グアム移設」の主張を強めることも考えられる。 ただ、政府が現行計画に代わる候補地を決定しても、米側が交渉に応じて合意する見通しはない。普天間が動かなければ、基地に隣接する市街地の危険性は続き、在沖縄海兵隊8000人のグアム移転も白紙化される可能性がある。95年の米兵による少女暴行事件を機に、沖縄の基地負担軽減や日米安保への信頼回復のために両国が続けてきた努力は振り出しに戻りかねない。決断先送りのつけは鳩山政権に重くのし掛かっている。 【関連ニュース】 ・ 【特集】「陸山会」土地購入事件〜検察が小沢一郎民主党幹事長から事情聴取〜 ・ 「大政翼賛会」は続かない〜民主・渡部元衆院副議長インタビュー〜 ・ 捜査は検察の政権つぶし〜民主・高嶋良充筆頭副幹事長インタビュー〜 ・ 「小沢独裁」は作られた虚像〜民主・輿石参院会長〜 ・ 労組への配慮で公務員制度改革「封印」の危機 ・ 首相動静(1月24日)(時事通信) ・ <訃報>酒井次吉郎さん87歳=元静岡銀行頭取(毎日新聞) ・ 妻子殺し自首の男、犯行後に勤務先で料理の下ごしらえ(産経新聞) ・ 京都女子大名誉教授 山川瑞明氏死去(産経新聞) ・ 有料充電器マルチ商法、元社長ら6人逮捕(読売新聞)
by rk79jdqbig
| 2010-01-30 03:44
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